本日の宿泊は白布温泉の
西屋。
私はこの宿が大好きなのですが、ここは評価が分かれる宿かもしれません。
もともとこの白布温泉は、3つの宿屋(いずれも茅葺き屋根。他は、「東屋」、「中屋」と言います。)を中心にして成り立っている、昔ながらの温泉宿から始まったの事。
それが、数年まえの火災で西屋だけが延焼せずに残り、焼けてしまった2軒は再建せざるを得なかったのですが、消防法の問題で、茅葺き屋根での再建ができませんでした。
新しく再建された宿は、今の流行の宿として、大きな露天風呂を備えた近代的な宿となっているようですが、それだけに古い施設の西屋は色々大変なのかな、と思います。
私はこの古さにある暖かみがすごく好きなんだけどなぁ。
趣を楽しみたい人向けです。
今回泊まった部屋は、「べにばな」。
街道に面した部屋で、お風呂上がりに窓際で涼みながら、街道を行く人を冷やかしているのも面白かった。
ちょっと散らかってしまっていますが、部屋の様子。
部屋から見た母屋の茅葺き屋根。
お風呂場を廊下から中庭越しに見たところ。お風呂はとても古いつくり。写真を取り損ねてしまったので、詳しくは
こちらをご覧下さい。以前来たときは、場違いな感想だとは思いますが、「わぁ、水戸黄門の世界だぁ」と思いました。(^_^;)
シャワーはありません。
でもお湯の感じがとてもいい。
ちょっと早く着きすぎたせいもあって、お風呂を独り占め状態だったので、打たせ湯をのんびり浴びて(隣から落ちている源泉の熱さが足下で中和されて、足湯も同時にやっている感じでなかなかいい)、その後湯船でのんびり。
湯ノ花が舞っていました。
調度品や建物全体の感じは、昔のままを残しているだけに、いろいろな古いものが多いです。良く清掃されて、良く手入れされていて、とても気持ちがいい。
食事処の大広間へ続く廊下。飴色に輝く柱(漆塗りなのかな)と、明かり、藤ござがいい感じ。
ちょっと暗いですが、各部屋前の廊下と階段。
最初に評価が分かれると描いたのは、この古さ。
設備も昔ながらのもので、だから「いい味」を出しているのですが、ホテルのような快適さを求める宿ではないと思う。宿側もそれを承知しているらしく、今回の予約時は以前には無かった様々な注意事項が予め説明されました。
- クーラーが無く、扇風機のみなこと。(標高が高いので充分涼しい)
- 部屋にトイレ、洗面所がないが無いこと。
- お風呂に、シャワー・カランが無いこと。(湯船から湯桶でくみ出して使います。)
- 古い木造なので、音が響く事(特に1階は2階の音が響く)
こう書くと不便極まりない宿に感じてしまいますが、不思議と居心地がいいのです。
この不便さを「趣」として楽しめるかどうかなんだろうなぁ~。
趣と言えば、
- 駐車場に番頭さんが待ちかまえて、荷物を持って案内してくれる事。
- 磨き込まれた飴色の柱と建具。
- 「藤ござ」の敷き詰められた廊下のやさしい足触り。
- どこか懐かしい、部屋のたたずまい。(違い棚が現役なのは嬉しくなった!)
- 暖かみのある行き届いた心遣い。
- 綺麗に清掃された館内と、至る所に活けられた生花。
そう、私達は夕食時に早々にお腹一杯になって、夕食所から部屋に戻ってしまったのですが、食べ忘れたデザートの桃アイスをわざわざ部屋まで持ってきてくれ事。
その情報が女将と共有されていた事。
無料の冷水器が目立つところにあるのに、自販機が控えめに設置されている事。
乾燥した、ふかふかのお布団。(梅雨明け直後なのは湯の瀬旅館と同じなのに。前日寝づらかった私達としては、天国!)
古さと新しさの融合は難しいけど、頑張っているなぁ、と思います。
チェックアウトの時に若女将?と少し話して、色々試行錯誤しています、と言われたので、苦労してるのだろうな、と感じました。
サービスのしては、前回行ったときの方が、仲居さんの態度があまり良くなかっただけに、シンプルながら行き届いた今回の方が、私としてはgood!
できるなら、あの雰囲気を失わずに、続けて欲しいなぁ。
できるなら、また行きたいなぁ、と思うのでした。
若女将! その他の旅館の皆さん、頑張れ~。\(^0^)/フレー